消えたヤングなでしこ
※この作品に登場する人物は実在の人物ではありません。また、U-20W杯自体の結果は史
実に基づいていますが、内容は脚色してあります。
2012年6月某日、Jヴィレッジから一本のバスが出た。その中に乗っているのは、U−
20女子日本代表、俗に、「ヤングなでしこ」と言われる選手たちである。なでしこジャ
パンのW杯優勝により、彼女たちへの期待もいやがうえにも高まりつつあった。
キャプテンの高城美香、19歳。鋭い出足からのボール奪取と長短のパス、ミドルを武
器とする冷静沈着なボランチである。サッカーエリートを育成するJFAアカデミーの出身で、
将来は沢穂希の後継者と言われている選手である。長身で容姿端麗であるため、雑誌モデ
ルとしての顔も持つ才色兼備を絵にかいたような選手である。
藤堂ゆかり、18歳。女子とは思えない俊足とクリスティアーノロナウドばりのドリブ
ルで相手を翻弄するフォワードである。名門常盤木高校で一年からレギュラーを張り、な
でしこリーグのみならず、海外クラブからのオファーも殺到している選手である。こちら
も容姿端麗で、子役経験もある選手であるが、変顔が得意でいつも下らないことをやって
いるチームのムードメイカーである。
三木由里、16歳。本当はU−17でプレイするはずであるが、その類稀なるテクニック
と変幻自在のパスから、飛び級でU−20に呼ばれた天才トップ下である。無名校であった
ため、高校女子サッカー大会でも予選落ちしたが、そのテクニックがスカウトの目に留ま
り、メンバー入りすることとなった。身長が低く、童顔であるため、小学生と間違われる
ことも多く、本人もそれを気にしている。
戸沢夏菜子、19歳。抜群の反応と長い手足でゴールを死守するキーパーである。こち
らもJFAアカデミーの出身で、高城とは幼馴染であった。男と見間違えるほどの風貌から、
チームメイトから高城の彼氏とからかわれていた。
他にもこの世代のトップの実力派選手がそろい踏みし、アジアを圧倒的な強さで勝ち進
んだ彼女たちは、優勝候補の一角と目されていた・・・
「あれ、監督が乗っていませんが。」
高城が運転手に聞いたところ、
「監督は後から車で合流する予定だそうです。」
「そうですか。」
「このたびはヤングなでしこ高速バスをご利用いただきありがとうございます。」
「ヤングなでしこ高速バスだって(笑)なんか私たちの専用バスみたい(笑)」
バス内が笑いに包まれたなかで、高城はにやりと意味ありげに笑った運転手を見逃さなか
ったが、特に気にすることもなかった。
そして、ある程度進んだところで、
「みなさん、手すりに両手を置いてください。面白いことになりますよ。」
みんな、面白がって両手を手すりに置いたが、高城は、隣の戸沢に目配せし、両手を置く
ふりだけした。すると、手すりから金具が飛び出し、皆の両手を手すりに固定した。
「えっ、何これ。」
「う、動けない。外れないよお。」
「運転手さん、どういうこと?」
運転手はにやりと笑い、
「だから、ヤングなでしこ拘束バスをご利用いただきありがとうございます、って言った
ろ?」
「こうそくって、そっちの拘束?」
「君たちは、これからわれら組織の囚人となり、監禁生活を送ることになる。」
と、悲鳴がこだました。三木に至っては泣き崩れていた。ただ二人、拘束を逃れた高城と
戸沢は、金具周辺を見渡したが、外すためのボタンのようなものは見当たらなかった。と
「後ろの二人、君たちだけ拘束されてないのは分かっている。大人しく手すりに両手をお
きな。さもないと、その綺麗な顔に風穴があくぜ。」
と、拳銃を見せた。二人は、大人しく、両手を手すりに置いた。まもなく、金具が二人の
両手を手すりに固定した。皆がじたばたしたが、金具は全く外れる気配を見せなかった。
「無駄だ、大の大人の男でも外れないのに、君たちのような年端もいかない女の子がバタ
バタしたところで外れるわけがないだろう。」
と、覆面の男が三人ほど、バスに乗ってきた。そして、選手たちの目と口をガムテープで
封じにかかった。皆もがこうとしたが、拳銃を頭に当てられ、なすすべもなく目と口にガ
ムテープを貼られた。そして、そのままバスはフェリーに乗って、ある島につき、建物の
地下に入った。
そこで、高城にいきなり拳銃が突き付けられた。と、高城の金具が外れた。
高城はガムテープを外そうとしたら、両手をとられて後ろに回され、縄が巻き付いてきた。
後ろ手に縛られると、今度は胸の上下に縄が巻き付いてきた。高城はもがくが、縛られて
いてはまともな抵抗ができず、上下胸縄を施された。縄によって括りだされた胸はなかな
かのボリュームで、男たちはしばし見とれていたが、おもむろに縄尻をとり、高城を連れ
て行った。そして、他の選手たちも、それぞれ目と口をふさがれたまま、後ろ手上下胸縄
緊縛をされた。チーム一の巨乳の持ち主である藤堂が上下胸縄をされたときは、男から歓
声が上がった。三木は、胸縄をされそうになると、拳銃を突きつけられようがお構いなし
に暴れ、男たちの手を焼かせたが、結局は上下胸縄をされた。三木の頬は真っ赤に染まり、
男たちから物珍しがられた。戸沢は縄をかけられると、男っぽい風貌からは想像もできな
いほどのナイスバディであり、男たちも意外な収穫に目を細めた。全員を地下室に集め、
「君たちはこれからわが組織の囚人として監禁生活をすることになります。」
うーん、うーんと高城がうなるので、ガムテープをはがした。
「私たちはもうすぐU−20W杯があるんです。返してください。」
「心配せずとも、練習はできる。君たちが大人しく監禁生活を送る限り、U−20W杯まで
には釈放を約束しよう。」
「練習って、ほんとにできるんですか?」
「案内してやれ。」
全員の目と口をふさいでいたガムテープがはがされ、地上に連れられた。そこには、広大
なサッカーコートと、サッカーをするための様々な設備が整っていた。夜にも練習できる
ように、ナイター設備も整っていた。また、隣にはスポーツジムがあり、そこで鍛えるこ
とも可能であった。しかし、そこは高い鉄柵で囲われ、鉄条網もあるので、脱出は不可能
になっていた。
「私たちを何のために捕まえたんですか。」
「それはまあ、なあ。」
と、男たちはにやにやしながら見ていた。高城たちは、自分たちがこれからどうなるのか、
本能で悟った。
「朝、昼、晩と一人ずつ、俺たちのレクリエーションルームに来てもらう。それ以外は、
自由に練習してくれていい。ただし、サッカーコートと隣のスポーツジム以外への立ち入
りは、縄をかけられていない限り禁じる。ジムには大浴場とレストランがあるから、入浴
と食事はそこで済ませること。まあ、朝7時から夜の12時までだな。それを過ぎれば、
牢屋に入ってもらう。
タイムスケジュールとしては、朝7時になったら、牢屋に呼び出しボタンがあるから、呼
び出せば、牢番が来るから、そいつに縛ってもらってグラウンドまで連れて行ってもらう
こと。8時になったら、レクリエーションルーム行きの子は牢屋にいればそこから縛って
連れてくし、グラウンドにいればいったん集合させるから、そこで縛って連れて行く。つ
まり、いつグラウンドに行くかは自由ということだ。次に、1時になったらまた集合させ
るから、そこから昼のレクリエーションルーム行の子を縛って連れていく。6時には晩の
子だな。練習を終えれば、グラウンドの門にあるボタンを押せば、門番が来るから、そい
つに縛ってもらって牢屋に連れていってもらう。つまり、牢屋からグラウンドまでの往復
は必ず縛られた状態でなければならないということだ。また、練習を始める時間も終える
時間もそれぞれの自由だ。夜12時になれば、門番がまだグラウンドに残っている子を片
っ端から縛って牢屋に連れて行く。
以上、皆が大人しく俺らの指示通り監禁生活をするなら、全員のレクリエーションが今
日を含め8日で終わるから、今日を含め八泊九日で釈放するつもりだ。もちろん、抵抗し
たり指示に従わない場合は、さらに長期間拘束するし、事によったら射殺するからそのつ
もりでな。」
「レクリエーションって・・・いや、なんでも。」
と、藤堂が言いかけると、高城が一睨みして黙らせた。
「さて、早速レクリエーションルーム行きの子を発表する。全員の縄をほどいていくから、
最後までほどかれなかった子がレクリエーションルーム行だな。自由になったからと言っ
て、変な気は起こすんじゃないぞ。」
確かに、グラウンドの門に立つ門番は自動小銃を持っていて、とても逆らえる雰囲気では
なかった。と、早速選手たちの縄がほどかれていく。三木は、ほどかれだすと嬉しそうに
はしゃいだ。戸沢は、縄をほどかれると、申し訳なさそうな顔をした。藤堂も、縄をほど
かれると、複雑な表情を浮かべた。高城は、まわりが次々と自由になる中で、自分は全く
ほどかれないのを見て、自分だと確信し、顔面蒼白になり、括られた手をぎゅっと握りし
めた。その通り、縛られているのは高城だけになった。皆、高城と目を合わすこともでき
ず、下を向いていた。その時
「私が代わりになります。」
手を挙げたのは戸沢だった。
「いいよ。どうせいつかは順番が来るんだし。」
「美香が最初にいなくなったら、練習計画どうするのさ。」
「夏菜子、あなたがやればいいじゃん。」
「無理だよ。美香は最初はダメ。お願いします。」
「分かった。お前からな。」
「でも。」
「あんたは必要だ。あんたに今連れて行かれると困る。」
高城の縄がほどかれ始めると同時に、戸沢が再び両手を後ろに回され縛られていった。シ
ュルッギュッと、縄が締めつく音が聞こえるたび、他の選手たちは、仲間が縛られてこれ
から男たちの慰みものになるのが分かっているのに、何もできない自分たちに無力感を感
じていた。
「ごめん、夏菜子。」
「泣くなよ。あんたがしっかりしないと。」
上下胸縄をされながら、戸沢は笑って言った。緊縛を終えると、戸沢は縄尻を曳かれて連
れて行かれた。去り際に明るい声で言った。
「しっかり練習しなよ。」
高城は涙が止まらなかったが、藤堂が
「練習しよう。夏菜子のためにもさ。」
「分かった。」
と、練習を始めた。
一方、戸沢は曳かれながら、とても陰鬱な気持ちでいたが、決して泣くまいと決めていた。
「おい、お前って、意外に胸でかいな。」
戸沢は、縄で上下から絞り出された自分の胸を見つめた。確かに男性的な顔には似つかわ
しくないふくらみがジャージの上からもうかがえた。男性的な顔立ちがコンプレックスで
あった戸沢にとって、胸がそこそこ大きいことは女性として自慢であった。
「男みたいだからどうだろうと思っていたが、意外に楽しめそうだな。」
戸沢は男を恨めしそうに見たが、そのまま曳かれていった。
レクリエーションルームにつくと、ジャージ姿で写真を撮られた。そのあと、セーラー
服で上下胸縄緊縛された。男性的な顔立ちだったが、セーラー服を着ると確かに可愛らし
く見えた。縛られると、なおさらその可愛さが引き立って見えた。そのあと、体操服に着
替えさせ、縄跳びで縛った、縄跳びで縛られるのは、普通の縄で縛られるのとはまた違っ
た感触がした。そのあと、ビキニ水着を着せ、後ろ手上下胸縄緊縛を施した。男たちは、
縛られた戸沢をしげしげと見つめた。褐色の肌とブラからこぼれんばかりの果実とのコン
トラストがなかなかいい味出していた。海岸に座らせ、それを撮っていった。そのあと、
男たちが一斉に戸沢の胸を揉んでいった。少し硬めで弾力ある膨らみが手を包んだ。
「ちょっ。何するのよ。」
「妙齢の女たちを捕まえたんだから、これぐらいやらせろや。」
「やっぱり私たちをレイプする目的で。」
「そこまでしねえよ。お前らの緊縛写真集を撮ることが目的だ。まあこれはついでってこ
とだ。」
と、ある程度で揉むのをやめると、ジャージに着替えさせ、縛ってグラウンドに連れて行
った。グラウンドについた戸沢は、事の次第を語った。
「つまり、レイプされることはなくなったんだね?」
「うん。」
「でも、胸触られるんでしょう。」
「レイプされるよりはましと思った方がいいよ。嫌がったところでどうせ反抗することは
できない。」
「次は私が行く。」
と、高城が名乗り出た
「美香。いいの?」
「もともと私が最初だから。」
高城が縛られて連行されていった。レクリエーションルームにつくと、男たちが高城の緊
縛姿をしげしげと見つめた。さすが雑誌モデルを務めるほどの美貌であり、同じくルック
ス担当の藤堂がかわいい系であるのに対し、こちらは美人系であった。
早速写真撮影に入った男たちだが、高城の緊縛姿に見とれて、シャッターを押す手が止ま
った。もともと子役出身の藤堂が目をつけられて後の選手はついでに誘拐したものである
が、意外な収穫に頬をほころばせた。その確信は、セーラー服緊縛の時に動かぬ形となっ
た。セーラー服に身を包んだ長身に締めつく縄、上下から括りだされて突き出た胸、しっ
かりと筋肉が取り巻いたふくらはぎ。文句のつけようもないものであった。男たちは興奮
しながら写真を撮っていった。そのあと、体操服に着替えさせた。高城の体操風での緊縛
姿は、男たちの想像を超えるものだった。ボディラインがくっきりと浮き出た体に締めつ
く縄、ピンクの縄跳びに囲まれ括りだされた胸、文句のつけようもないものであった。男
たちはそれを写真に収め、ビキニ水着を渡した。ビキニ姿の高城は期待にたがわず美しい
ものだった。健康的に焼けた長い手足、割れた腹筋と均整のとれた体、豊かなふくらみと
その谷間が男たちの股間を熱くさせた。上下胸縄を施すと、その膨らみがさらに増してい
った。波打ち際に座らせ、写真撮影をしていった。長い髪が風に舞い、水が縄に掛かり収
縮して締め付け、胸を厳しく括りだした。その風情はとてつもなく美しいものだった。そ
して、波打ち際からレクリエーションルームに連れて行き、縄をほどいてノースリーブの
Tシャツを着せた。そして、手錠が前手にはめられた。
「あれ?手錠なんですか。」
「今日はここの一室で一晩を過ごしてもらう。連れて行け。」
高城が連れられたのは、レクリエーションルームの隣の部屋で、天井から滑車が下がって
いる部屋だった。そこで、手錠に鎖をつなぎ、滑車に繋いで巻き上げた。藤堂は両手を頭
の上で滑車から吊るされる形となった。そして、上下胸縄が施された。しかも、いつもの
胸縄は手首の縄尻を使っているが、今回は純粋に胸だけ縛り上げているせいか、いつもの
胸縄よりきつく高城の胸を締め付けていた。
「今晩はその状態で過ごせ。トイレに行きたい場合は足元のスイッチを押せ。」
と、出て行った。高城はもがいたが、鎖がしなる音がするだけで、拘束からは逃れられそ
うにもなかった。さらに、縄が上下から胸を締め付けた。どうやらもがけばもがくほど締
まるように縛られているらしかった。
その頃、練習を終えた選手たちが次々と縛り上げられて牢に入れられていった。三木は
いまだに上下胸縄になれないせいか、顔を真っ赤にしていたが、大人しく牢に入れられて
いった。もちろん牢の中では縄をほどかれていたが。牢は普通の民宿の一部屋を模したも
のであり、テレビもテーブルも布団もあった。もちろん、入り口には鉄格子がはめられて
いたが。
高城と隣部屋である戸沢は、一向に帰ってこない高城を心配していた。
その頃高城は、ほとんど一睡もできず、自分の胸を締め付ける胸縄と格闘していた。動
けば締まるため、微動だに出来なかった。たまにうとうとしていたが、その拍子に動いて
しまい、胸縄を締める原因となっていった。高城は自分の胸が大きいことはひそかな自慢
だったが、ここではそれを後悔した。胸を締め付けることによって襲ってくる変な感覚と
戦う高城はいつの間にか汗びっしょりになっていった。おそらく朝になれば解かれるだろ
うが、あいにく地下室で窓もなく、時計もないので、時間を知ることは不可能だった。高
城は不屈の精神力で自分を苛めぬく胸縄と格闘していたが、時間が分からなかったため、
いつまで続けるのかと思うと、その精神力も潰えようとしていた。すると
「朝だ。」
高城はいっぺんで力が抜けた。すると、ギュッと胸縄が締まり
「うあっ。」
「胸縄がだいぶなじんだようだな。さて、おっぱいもみもみタイムと行こうか。」
「そんな・・。」
「前のやつから聞いたろ?覚悟するんだな。」
と、男たちが総出で高城の胸を揉んでいった、一晩の胸縄のおかげで、高城の胸はほぐさ
れ柔らかくなり、重量感もあった。胸を揉まれるたび、高城は自分がおかしくなりそうな
感覚に襲われたが、歯を食いしばってそれに耐えた。胸を揉み終えると、ジャージに着替
えさせ後ろ手上下胸縄緊縛で牢まで連れて行った。となりの牢には戸沢がいた。
「美香、大丈夫?」
高城は答える気力もなく、牢につき、縄をほどかれると倒れこんだ。
しばらくして気力を回復した高城から、昨夜の様子を聞くと、皆愕然としていた。
「私だったらおかしくなりそう。」
「無理無理。」
「とりあえず、私みたいなことになっても絶対に胸縄に屈しないで。」
しかし、高城の後の選手たちは戸沢の時のように、いろいろな服装で緊縛写真を撮られる
とあっさりと帰されていった。
そして、三木の番が回ってきた。最初は上下胸縄をされるだけで顔を真っ赤にしていたが、
最近は慣れてきたようで、牢からグラウンドへの護送もあっさりとこなしていた。しかし、
高城のようなことをされた場合に耐えられる自信がなかった。
レクリエーションルームに着くと、まずそのまま緊縛写真を撮られた後、セーラー服を着
せられると思っていた。しかし、着せられたのはふつうのTシャツだった。そのあと、ラン
ドセルを背負わせられた。
「えっ。」
そのまま後ろ手上下胸縄緊縛をされた。といっても、ランドセルを背負っているので、高
手小手ではなく、胸縄も大して厳重ではなかった。
「なんで?」
「お前にはやっぱりランドセルが似合うなと思ってな。」
褒められているのかけなされているのかよくわからなかったが、小学生に間違われること
を気にしている三木にとっては、少し屈辱だった。そのあと、体操服で縛られ、ビキニを
着せられた。ほかの選手たちと違って幼児体型であり、胸もそこまで大きいわけではない
が、一部のロリコンの男たちからは歓声が上がった。縛られてみると、その被虐感はトッ
プクラスのものがあった。それほど大きくない胸も、上下から締めるとそこそこのボリュ
ームがあり、男たちを興奮させた。波打ち際に座ってると、水遊びに着た子供を捕まえ縛
り上げたような風情が出ていた。そのあと、胸を揉んだが、三木は顔を真っ赤にしながら
も歯を食いしばって大した反応は見せず、胸もやっぱり少し貧弱だった。
牢に戻した後、三木は丸一日何も食べられなかったらしい。
こうして時は過ぎ、監禁生活8日目の昼、レクリエーションを受けていない選手は二人
になった。集められた選手の中で、そのふたり、藤堂と矢沢愛は、極度の緊張状態にあっ
た。
「さて、まだ呼ばれていない子は前にでな。」
藤堂と矢沢は、大人しく前に出た。いつも仲がいい二人が最後に残されたのも、何かの因
縁か、高城はそう思いながら二人を見つめていた。ふたりの後ろにそれぞれ、縄を持った
男たちが立った。
「二人とも、目を閉じな。」
二人は大人しく、目を閉じた。二人の両手がすっと後ろで組み合わされ、縄をあてられた
。ふたりとも、自分が縛られると覚悟した。と、藤堂の両手がすっとおろされ、同時に矢
沢の両手首にギリリッと縄が巻き付いていった。藤堂は驚いて、目を開けて矢沢を見つめ
た。そこには、目をしっかり閉じて、縄に身を任せる親友の姿があった。矢沢に上下胸縄
が施され、連れて行かれると、男の一人は藤堂にいった。
「晩はお前だ。覚悟を決めておくんだな。」
と去って行った。藤堂は練習に戻ったが、なかなか身が入らなかった。高城はそんな藤堂
を心配し、
「早く戻ったら?」
「そうする。」
と、門番を呼んだ。門番が藤堂を縛り上げると
「すみません、私もレクリエーションルームに連れてってください。」
「お前は晩のはずだが。」
「どんなことが行われているのか見たいんです。」
「すでに仲間から聞いているだろう。」
「でも、自分の目で見たいんです。」
「分かったよ。連れてってやる。」
と、藤堂の縄尻を曳いて、レクリエーションルームまで連れて行った。そこには、セーラ
ー服を着て後ろ手上下胸縄緊縛をされ、写真を撮られている矢沢の姿があった。
「愛!」
「ゆかり!」
互いに駆け寄ろうとしたが、縄尻をとられて引き戻された。
「どうして連れてきた。」
「こいつが来たいというもので。」
「まあいい。その辺に繋いでおけ。」
この一言で、藤堂は部屋の隅の柱に繋がれた。藤堂の見ている前で、矢沢はセーラー服、
体操服で後ろ手上下胸縄緊縛を施され、写真を撮られていった。と、矢沢がビキニ水着に
着替え、後ろ手上下胸縄緊縛を施され、外に曳かれて行った。
「どこに連れてくんですか。」
「仲間から聞いてるだろう。」
「私も。」
「お前はここにいろ。」
藤堂は追おうとしたが、柱に繋がれているため、ままならなかった。どれぐらい経ったの
か、矢沢が曳かれて戻ってきた。ジャージに着替え、再び後ろ手上下胸縄緊縛を施されて
いく矢沢に聞いてみた。
「どんな感じだった。」
「美香以外の人の感想と同じだね。最後に胸を触られるのも一緒みたい。」
「そう。」
「頑張ってね。」
矢沢は茶目っ気たっぷりで笑いかけ、曳かれていった。
「次はお前の番だな。まずはそのまま撮ろうか。」
柱に繋いでいた縄だけがほどかれ、カメラの前に座らされた。男たちはさすが真打と顔を
ほころばせた。さすがに子役上がりだけあり、容姿は芸能人にも劣らず、ジャージの上か
らでもわかる豊満なふくらみが縄によって括りだされ、なおさらボリュームあふれたもの
となっていた。男たちは、立っているもの、座っているもの、寝ているもの、正面を向い
ているもの、背中を向けているもの、横を向いているもの、笑っているもの、怒っている
もの、泣きそうなもの、影のある表情のもの、など、藤堂のいろいろな表情を撮っていっ
た。
「実際に縛られるのはやはりドラマと違うだろう。」
「えっ?何で知ってるの?」
「そりゃ当然調べるだろう。」
藤堂がまだ子役だったとき、ドラマで誘拐され縛られるシーンがあった。その時はまだ小
3だったから、ゆるゆるに縛られ、猿轡も被せてあるだけだった。それに比べれば、猿轡
こそないものの、縄は一部の隙もなく藤堂の体を締め付け、胸もしっかり括りだしてあっ
た。撮影が終わると、セーラー服に着替えさせられ、再び上下胸縄緊縛を施された。男た
ちは藤堂のセーラー服緊縛姿に目を細めた。これまでに22人のなでしこたちのセーラー
服緊縛姿を見てきたが、藤堂のはまさに真打と言っていい可愛らしさであった。セーラー
服と縄の相乗効果は、藤堂の芸能人ばりの容姿もありとてつもないものであった。男たち
は興奮しながら、藤堂の姿を写真に収めていった。それが終わると、体操服に着替えさせ
られ、縄跳びで縛られた。藤堂のヤンなで一の胸が縄跳びによって括りだされた姿はこの
上なく淫靡なものであった。そのあと、浴衣を渡された
「あれ?浴衣なんかありましたっけ?」
「君だけだな。まあ真打だからな。さっさと着替えな。」
浴衣に着替えた藤堂に再び上下胸縄緊縛を施し、写真を撮っていった。藤堂の美貌と綺麗
なうなじと浴衣に締めつく縄とが男たちを興奮させた。そのあと、ナース服に着替えさせ、
また縛って写真を撮った。と、ノースリーブのTシャツに着替えさせられた。
「今日はここまでだ。」
「今日はってことは明日もあるんですか?」
「当然だろ、まだ水着緊縛が終わってない。」
と、前手に手錠をはめた。藤堂は、高城から聞いたことをされると直感し、
「こんなことしなくとも逃げませんから。」
男は無言で、手錠に鎖をつけて曳いていった。高城を入れていた部屋に連れて行き、滑車
に鎖をつないで巻き上げた。藤堂は両手を頭の上で滑車から吊るされる形となった。
「こんなことしなくても逃げませんから。」
藤堂はもう一度哀願するように言った。男は答えず、両手吊りの状態で露わになった藤堂
の腋を舐めるように見ていた。しっかりとケアされて綺麗になった腋をしばらく見てから、
藤堂の胸の上下に縄を巻きつけた
「もう勘弁してください。」
藤堂の哀願もむなしく、縄が藤堂の胸を上下から括りだした。
「今晩はその状態で過ごせ。トイレに行きたい場合は足元のスイッチを押せ。」
と、扉を閉めて鍵をかけた。藤堂はもがいたが、ますますギュッと胸縄が締まるだけで状
況は悪化する一方だった。今まで、グラウンドや牢に連行されているときやレクリエーシ
ョンルームにいるときしかされなかった胸縄が、一晩中胸に締めつくと思うと、おかしく
なりそうだった。その締め付けから逃れようと、足元のスイッチを押した。男が来て、鎖
を滑車から外した
「胸の縄は外してくれないんですか。」
「トイレに行くのにほどく必要ないだろ。」
と、トイレに入れた。藤堂は、トイレの中で、手錠をはめられた両手をうまく使い、胸縄
を緩ませた。トイレを終えて、再び吊るされた後、男が後ろに回り込んだ。何かと思う間
もなく、胸縄が再びぎゅっと締まった。ただでさえ普段よりきつい胸縄が、なおさらきつ
く締まり、藤堂の頭で火花が散ったような衝撃を受けた。
「あうっ。」
「ごまかしても無駄だ。縄が緩んでるかそうでないかなんて一発でわかる。次にやったら
股縄を掛けるぞ。」
股縄、その言葉に藤堂はおびえ、もがく記憶も消え失せた。しかし、いつもよりきつい上
にさらにきつく締められた胸縄が絶えず胸を締め付け、藤堂を苛め抜いた。藤堂は汗びっ
しょりになり、荒い息を出しながら締め付けに耐えていたが、急に絶叫した。
何事かと入ってきた男たちは、首をガクンと折り、汗びっしょりで気を失っている藤堂を
見た。
「やっぱりあのきつい胸縄は酷だったか。」
「まあでも普通なら、縄が気持ちよくなってきて、一晩中ずっともがいてるもんなんだが
な。」
「さすがだな。縄に屈しないその心意気、天晴れだぜ。だが、そういう子ほど屈した時は
縄がなくちゃ生活できなくなるんだけどな。」
「別に縄奴隷にするわけじゃないからな。明日の撮影に備え、胸を少しでもほぐしとかな
いと。」
と、藤堂を滑車から降ろし、胸縄もはずして、汗を拭きとった。レクリエーションルーム
の柱にもたれかかれせ、柱の後ろで手錠をはめた。
朝になり、藤堂が目を覚ました。
「うっ。」
もがいたが、体が動かない。どうやら、後ろ手に手錠されているらしい。ふと胸を見たら、
昨晩自分を苛め抜いた胸縄は外されていた。
「起きたか。」
「私、どうなったの。」
「胸縄があまりにもきつくて気を失っていたみたいだ。朝飯にしようか。」
と、藤堂の手錠を外し、食事をとらせた。そのあとに、チャイナドレスを渡し、着替える
ように言った。更衣室で藤堂は恐る恐る股間を触ったところ、クチュッとぬめりのある液
体がくっついてきた。その意味を理解した藤堂は、しばらく泣き崩れていたが、雑念を振
り払うと、チャイナドレスを着て出て行った。そこで後ろ手上下胸縄緊縛を施された。胸
縄をされるとき、藤堂はおびえていたが、いざされると、かっちり体に締めつき胸を強調
したが、昨晩自分を苛めていた胸縄よりはよほどゆるく思えた。そのあと、ビキニ水着を
渡され、それに着替えた。男たちは、ビキニ水着の藤堂を見て、鼻血を出しそうになった。
こんがり焼けた健康的な手足、それと対照的に透き通るほど白い体、割れた腹筋とビキニ
のブラから零れ落ちそうな果実のコントラストが男たちをそそった。後ろ手上下胸縄緊縛
を施しているときも、胸を絞り出すたびに膨れる果実がなおさら男たちの股間を熱くさせ
た。外の海岸に連れて行き、波打ち際で座らせた。水を吸うたびに締めつく胸、風でなび
く髪、胸縄によって膨れた果実が男たちをドキドキさせた。そして撮影が終わった。
「さあて、お待ちかね、おっぱいもみもみタイムだ。」
男たちが藤堂を取り巻き、次々に胸を触っていった。藤堂の胸は、もともと大きかったが、
昨日の胸縄地獄により、また一段と膨らんだように見えた。さらに、ずっと昨日から締め
付けられたことで、ほぐされて柔らかさがまし、重量感もあった。藤堂は胸を触られてい
る間、すっかり顔が真っ赤になっていた。一晩胸縄をされたことにより感覚が鋭敏になっ
ていたので、耐えられるかどうか不安だったが、藤堂は歯を食いしばってそれに耐えた。
ある程度触ると、縄をほどき、ジャージに着替えさせ、また後ろ手上下胸縄緊縛を施し、
連れて行った。
藤堂が帰ると、バスのそばになでしこたちが皆後ろ手上下胸縄緊縛を施されて集められ
ていた。藤堂は高城の顔を見ると、今まで抑えていたものがこみ上げ、泣きついた。高城
は藤堂の意外な姿に驚きながらも、その意味を察し、腕を括られているため体で藤堂を抱
き寄せた。ひとしきり泣いた後、男たちに向き直った。
「さてみんな監禁生活ご苦労だった。約束通り君たちを釈放しよう。しかし・・・」
「しかし?」
「全員が解放されるわけではない。」
「話が違うじゃない、大人しく監禁生活を続ければ、全員釈放してくれるはずじゃなかっ
たの?」
「全員釈放するとは言ってない。」
「そんな、卑怯だよ。」
「何とでも言え。君たちが警察に余計な事をしゃべるのを防ぐためには人質が必要なのさ。
そして、人質は二人だ。それ以外は釈放しよう。」
「なんで、一人でいいじゃない。」
「もう一つ、君たちはU-20W杯に出るだろう。それの成績にノルマを設ける。」
「そんな、あなたたちが私たちを拘束したから成績が下がるかもしれないのに。」
「泣き言は認めん。さて、そのノルマだが、決勝進出だ。」
「そんな、高すぎるよ。」
「異論は認めん。つまり二人の人質の釈放条件は、一人はU−20W杯終了まで俺らのこと
を口外せず、大会が終われば全員でもう一回俺らの囚人になること。」
「釈放じゃないじゃん。」
「もう一人は、決勝進出だな。」
「結局、私たちは大会が終わるまで特別に釈放され、終わったらまたあなたたちの囚人と
して監禁生活を続けるということ?」
「いや、全員で囚人になり、ここで人質と合流してから全員で釈放する。」
「そんな、信じられるわけないよ。」
「信じなければ結構、二人の人質がここで一生俺らの慰み物になってもいいならな。」
「分かった。信じるしかないみたいね。で、二人の人質って誰よ?」
「お前らで決めろ。」
「えっ?」
「お前らで決めろと言っている。」
「そんな、決められないよ。」
「なら全員人質になるか。」
「私がなる。」
と、名乗り出たのは第三キーパーの中島悠里だった。
「私はどうせ出場することはないから、人質になってもチームとして支障はないし。」
「第三キーパーだって出れるかもしれないし重要だよ。それに、一生こいつらの慰み物に
なるかもしれないよ?」
「分かってる。でも、誰かがならないといけないんでしょ?」
返す言葉が出なかった。すると、
「私もなる。」
と言ったのは、ボランチの控えの山岸奈津子だった。女子とは思えないフィジカルでの潰
しが魅力の選手だったが、テクニックがある方ではないので、パス回し主体のチームの戦
い方になじめず、控えに甘んじていた。
「私みたいな選手は時代遅れかもしれない。世界的に見ても、センターバックですら高い
技術を要求されるのに、ボランチでパスを回せない私はいらないんだよ。」
「そんなことないよ。あなたが必要なときは必ずある。」
「いいよ、分かってる。私がなる。」
こうして二人を残し、なでしこたちは釈放された。釈放されたとたん、メディアから質問
攻めにあったが、皆黙して語らなかった。さすがに、監督とコーチには真実を打ち明けた
が、それを口外することなく協力すると約束した。
そして、ついに、U−20W杯が始まった。初戦のメキシコ戦を三木、藤堂、高城、途中交
代の矢沢愛のゴールで4−1と快勝すると、続く2戦目のニュージーランド戦では2点を
先行されながら、三木、藤堂のゴールで追いつき、3戦目のスイス戦では三木が左右両足
のフリーキックを決め、藤堂のオーバーヘッドシュートも決めるなど、4−0で快勝した。
この快進撃に、日本中がヒートアップし、ヤンなでは知名度を大きく上げ、観客動員数
を増やしていった。しかし、選手たちは全く気にせず、ノルマである決勝進出に向けて一
致団結していた。
決勝トーナメント初戦の韓国戦では伏兵の相内詩織が2ゴールを挙げ、三木も点を取る
などして3−1で快勝した。しかし、選手たちは浮かない表情をしていた。準決勝の相手
がドイツに決まったからである。ドイツはグループリーグで優勝候補のアメリカに3−0
で快勝するなどして強さを見せつけ、優勝候補最右翼と言われていた。しかし、決勝に進
まなければ、人質の内一人は一生囚われの身となって監禁生活を強いられることになる。
選手たちは監督・コーチと遅くまでドイツの弱点を研究したが、目立った弱点は見つから
なかった。
そして、ドイツ戦が始まった。試合開始直後から、若きなでしこたちはドイツの凄まじい
プレスに曝され、まともにボールを回すことすらままならなかった。あの高城までもミス
パスを連発する中、ボールを持った相手フォワードとセンターバックの金沢由紀子が競り
合ったが、屈強な相手にあっさり吹っ飛ばされ、先制点を浴びた。選手は焦って攻撃しよ
うとするが、カウンターを浴びるだけだった。特に三木は小柄な体格から、まともにプレ
ーすることすらできなかった。そんな中でも、藤堂は相手と競り合ってキープしたり、ス
ピードでぶっちぎるなど、飄々と自分のプレーを続けていた。そして、先制点から10分
後、三木が競り負けてボールを失うと、まともにカウンターを浴び、金沢が競り負けるこ
とを恐れ距離をとった瞬間を見逃さず、ミドルを叩き込まれた。この瞬間皆が
「山岸がいれば・・・。」
と思っていた。屈強なフィジカルで中盤を引き締める山岸の存在が、これほど大きく映っ
たことはなかった。前半終了間際にも相手のクロスがそのままゴールに入る不運があり、
なでしこは前半を3点ビハインドで折り返すことになった。
ハーフタイム中も、選手の表情はさえなかった。特に、失点の原因となった三木と金沢の
顔面は蒼白だった。その瞬間
「まだ試合は終わってない。山岸、中島の人生をお前らは背負ってるんだぞ。」
監督のこの一言で、選手たちの目が変わった。特に三木は、反撃に燃えていたが、
「選手交代、三木OUT,矢沢IN」
と告げられると、あたりかまわず泣き出した。
後半開始直後から、なでしこはドイツに襲いかかった。ドイツが前半で体力を消耗したせ
いもあって3点を守る戦いに切り替えたこともあるが、前線で神出鬼没に動く矢沢をドイ
ツが捕まえきれず、後半はなでしこが一方的に攻める展開となった。また、矢沢、藤堂な
どがペース度外視でプレスをかけ続けたこともあって、ドイツはまったくボールが持てな
かった。前半で力の差を見せつけたにもかかわらず、決死の形相でボールを追いかけ、体
力度外視のプレスをかけ続けるなでしこにドイツの選手はもはや恐怖すら覚えた。しかし
ゴールが入らない。藤堂のミドルはクロスバー、コーナーキックの流れから矢沢のシュー
トもポストにはじかれ、得点がなかなか奪えない。終了間際のコーナーキックからの高城
のボレーもバーをたたき、そのまま試合終了となった。
試合終了後、勝ったものの疲労困憊でへたり込むドイツの選手のわきで、号泣するなでし
この選手たちがいた。これで、山岸、中島のどちらかが一生監禁生活を強いられることと
なった。監督・コーチもなんと言葉をかけてよいか分からなかった。
その瞬間、高城の携帯が非通知着信を知らせた。スタッフの一人がそれを高城に知らせ
た。
「よお、ノルマは果たせなかったな。」
「待って、私が今から身代わりになるから。」
「まあ待て。今日の試合、負けはしたがなかなかいいものを見せてもらった。次の三位決
定戦に勝てば、人質の一人は返そう。」
「ありがとうございます。」
「しかし、・・・」
高城は何かを決意した表情で電話を切った。皆が詰め寄った。
「次の三位決定戦に勝てば、人質のうち一人は返してもらえることになった。」
皆が一斉に安堵の表情を浮かべた。と、戸沢が
「何か交換条件を出されたんでしょう。」
「いや、大丈夫。」
「彼らが交換条件なしで釈放の条件を緩和するとは思えない。隠すところを見ると、自分
が追加の人質になるとか?」
高城はなぜわかったという目で戸沢を見た。
「当たり前よ。何年あんたの親友やってんの?」
「代わりの人質なら私が。どうせ試合に出たってみんなの足を引っ張るだけだし。」
と、金沢が名乗り出た。
「いや、まったく攻撃で使えなかった私が。」
と、三木も名乗り出る。
「馬鹿言うんじゃないよ。もし負けたら、一生奴らのもとで監禁生活を送ることになるん
だよ。」
「それはあなたもじゃない。」
「キャプテンとして、こんな事態を招いた責任はとらないと。」
「あなたがいないとどうやって勝つの?」
「大丈夫。勝てるよ。今日の後半を思い出せば。」
と戸沢が高城の頬を叩く。
「あんたが必要だって何でわかんないの?」
しかし、高城も睨み据え
「ここには必要じゃない人間なんていない。みんなで今まで戦ってきた。私はこのチーム
を、そしてみんなを守る責任がある。」
と、戸沢が
「分かったよ。好きにしな。」
「夏菜子!!」
「無駄だよ。あの眼をした美香は一歩も引かない。」
と、高城は一人スタジアムから去った。そして、そこにバスが通りかかった。
「やあ、お待たせ。やっぱり君が来たな。予想通りだ。」
「早く連れてって。」
「焦るなよ。可愛く縛り上げてやるからさ。」
運転手に後ろ手上下胸縄緊縛をされ、口と目をガムテープでふさがれた高城は、バスに乗
せられ、漆黒の闇に消えて行った。
再び身柄を拘束された高城は、依然と同じ監禁生活を送っていた。中島、山岸も、胸を触
られることはごくたまにあるものの、貞操は無事であった。
そして、三位決定戦のナイジェリア戦が始まった。高城、中島も、ジムのテレビで固唾を
のんで見つめていたところが、山岸がいない。
「奈津は?」
と、男たちはにやにやして答えない。
「まさか、ちょっと奈津はどこ?」
と、ジムから出ようとした。
「二人を縛っとけ。」
男たちは二人を取り押さえ、後ろ手上下胸縄緊縛を施していく。
「放して。奈津!!」
そのころ、なでしこもナイジェリアに苦戦していた。三木、藤堂のゴールで二点を先行し
たが、後半と同時にナイジェリアが猛反撃。アフリカ人特有の屈強なフィジカルに圧倒さ
れ、思うように試合を進められない。高城の不在から、ボランチでボールを持つことがで
きず、ついにコーナーキックからヘディングを叩き込まれ、一点差に詰め寄られてしまう。
その瞬間、監督は動いた。三木は、電光掲示板に映る自分の背番号を見て、あとはお願い
とみんなに言い残してピッチを去っていく。しかし、そこには意外な人物がいた。人質と
して身柄を拘束されているはずの山岸が、そこにいた。
「奈津・・・」
「後は任せて。」
と、ハイタッチして出て行った。三木が見た山岸の両手首には、縄の跡がしっかり残って
いた。山岸INと同じくして、流れが変わった。山岸は、いままで監禁されていて、ブラン
クがあったのがウソのように中盤を動きまわり、そのチーム一と言われるディフェンス能
力で、敵の攻撃を遮断し続けた。そして、もう一人、鬼神のごときパフォーマンスを見せ
ているものがいた。
「もう、足を引っ張るわけにはいかない。」
ドイツ戦の雪辱に燃える金沢が鬼気迫るディフェンスで、敵の攻撃を摘み取っていた。し
かし、終了間際、山岸の競り合いからこぼれたボールをカットされ、敵フォワードが金沢
と1対1になった。そこで、敵の切り返しから、金沢が振り切られてしまう。そして、戸
沢の上を超えるループを放った。
「ダメだ。」
誰もが同点を覚悟した瞬間、いつのまにかカバーに入っていた藤堂がラインぎりぎりでク
リアーした。
その瞬間、笛が鳴り,日本の勝利が確定した。ベンチにいた三木もほかの選手もみんなピッ
チに躍り出て、まるで優勝したように勝利を祝った。そして、山岸にみんなが抱き着いて、
再会を分かち合った。
「どうして出れたの?」
山岸は、皆に事の顛末を話した。
人質として監禁生活を続けることになった山岸だが、練習は怠らなかった。中島と二人で
毎日ボールを蹴りつづけた。
「なぜ練習する?U−20にはもう出れないんだぞ?」
「監督が私をメンバーに入れてくれました。なら、私は練習することで、みんなと一緒に
戦うつもりです。」
と練習を続ける山岸と中島の姿を、男たちはしっかりと見ていた。
そして、ナイジェリア戦の朝、いつものようにグラウンドに出るために縄をかけられた山
岸の口と目を、不意にガムテープでふさいだ
「んんっ。」
「いいところに連れてってやる。」
と、バスに乗せ、ナイジェリア戦が行われるスタジアムまで連れて行った。そして、山岸
のガムテープと縄を外した。
「ここは?」
「ここはお前の戦場だ。力尽きるまで戦え。」
その一言で、すべてを了解した山岸は、深く頭を垂れると、スタジアムに走って行った。
「そうなんだ。」
「監禁されている間も、まあ胸を触られることはすこしあったけど、練習させてくれたし。
そんなに乱暴に扱わなかったし。あの人たち、悪い人たちじゃないかもね。」
「まあこれにこりて、私はいらないなんて口が裂けても言わないように。」
戸沢に諭され、山岸は生返事しながらも、嬉しそうだった。
そのころ、決勝戦が行われていたが、ドイツはなでしこたちとの戦いで体力を消耗しつく
したのか、まったく足が動かず、グループリーグで3−0で勝ったアメリカにまさかの敗
北を喫することになった。
ナイジェリア戦の三日後、選手村のはずれでバスを待つヤングなでしこの集団がいた。そ
う、全員でもう一回囚われの身になることが、最後に残された人質釈放の条件であった。
囚われの身になったまま帰れないことはもはや誰一人として考えておらず、仲間との再会
を心待ちにしていた。バスが到着すると、選手たちはいっせいに乗り込んだ。
「やあ、お久しぶり。さて、早速縛られてもらおうかな。」
と、選手たちに縄をかけていった。選手たちは、運転手に後ろ手上下胸縄緊縛をされても、
特に騒ぐこともなく、久方ぶりの縄の味を確かめていた。運転手が全員に後ろ手上下胸縄
緊縛を施し、ガムテープで目と口をふさいだのち、バスは選手を監禁していた島に向かっ
た。島の監禁施設につくと、高城と中島はすでに駐車場に縛られた状態で来ていた。選手
たちは高城と中島との再会を分かち合った後、目と口をふさいでいたガムテープをはがさ
れ、縛られたまま一列に並べられた。そこで、ひとりひとりの記念撮影が行われた。選手
たちは、後ろ手に縛られたまま、思い思いのポーズをとっていった。全員で記念写真を撮
ったあと、
「監禁施設のみんなをねぎらうために、胸を触らせてもらっていいかな?」
と言われた。皆いっせいに血の気が引いていった。高城が
「お断りします。私たちは風俗嬢ではありません。」
「頼む。最後に一回だけ。」
高城は、囚われの自分たちに低姿勢で頼む男たちがおかしかった。
「そんなに低姿勢で頼まなくとも、取り押さえて無理やり触ればいいじゃないですか。私
たちはただでさえ後ろ手に縛られて、抵抗できないのに。」
「それはそうだが・・・。」
高城はふっと笑って覚悟を決めてこういった。
「分かりました。私の胸でよければいくらでも。でも、他の子には手を出さないでくださ
い。」
「美香。一人で抱え込むのはもうやめよう。」
と、戸沢が言った。
「もう触られちゃってるしさ。」
と、藤堂が茶目っ気たっぷりで言った。
「美香さんだけが触られるのは不公平です。」
と、三木が顔を赤らめながら言った。ほかの選手たちも笑って頷いた。
「馬鹿ばっかり。」
高城は呆れるように言った。そして、端の選手から順に、縄で上下から絞り出された胸を
ジャージ越しに触られていった。ひとりにつき十秒の時間制限つきで、監禁施設のコック、
用務員なども参加していたため、選手たちはかなりの人間に胸を蹂躙されていった。そっ
と添えるもの、揉みしだくもの、わしづかみするもの、さするもの、さまざまな触り方を
されていった。やはり、恥ずかしがる選手たちが多く、特に三木は顔を真っ赤にしていた
が、特に抵抗することはなかった。全員が胸を触られ終えると、選手たちは再びガムテー
プで目と口をふさがれ、バスに乗せられて運ばれていった。選手たちは、身じろぎして縄
の感触を感じながら、この縄ともおさらばかと感傷にふけったりした。Jヴィレッジの近く
で縄とガムテープを解かれ、解放された。
「なんだったんだろうね。この監禁生活は。」
高城が誰に言うともなくつぶやいた。
「まあ、この監禁生活は、皆の絆を深めるために神様が与えてくれた試練だと思えばいい
んじゃない?」
と、藤堂が茶目っ気たっぷりで言った。
「そうかもね。」
選手たちは互いに笑いあいながら、それぞれの帰路についていった。
若きなでしこたちのひと夏の物語はこうして終わりを迎えた。
ヤングなでしこを解放したバスは街を一通り回った後、フェリーに乗り込んだが、その中
には、次の緊縛の犠牲者となるとも知らずに、眠りこけている少女たちの一団が乗せられ
ていた・・・。
-END-